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『視点』事実はひとつ-薬物問題最前線-

Ⅲ【大麻の国際規制の始まりについて】
 

 
 国際⿇薬規制が始まってまだ間もない1924年のことです。南アフリカ連邦が“国際連盟”の「あへん及びその他の危険薬品の取引に関する諮問委員会」へある提案を⾏いました。世界初めての⿇薬規制条約である「1912年条約(国際阿片条約)の加盟国は、大麻を習慣性医薬品のリストに加えるべきだ」との提案でした。この諮問委員会はその4年前、1920年に設立されています。

 この提案を検討した諮問委員会の勧告を受け、国際連盟総会は、条約の当事国が、大麻の⽣産、取引、消費についての統計資料を提出するよう、連盟事務総長経由で要請しました。そのころ、事務総長は初代の英国出⾝エリック・ドラモンド(JamesEricDrummond)で、事務次長には新渡戸稲造がいました。
 翌年1925年に、ジュネーヴにおいて開かれた第2回国際あへん会議では、エジプト代表が「大麻を国際規制によって統制されるべき危険薬品のリストに加える」ことを提案しました。⾃国での大麻乱用による窮状を訴えてのことです。
大麻を含め、薬物問題が国際問題であったことの認識が見て取れます。

 この提案を検討するために⼩委員会が構成されています。エジプトと同じく⾃国で大麻乱用がみられた南アフリカ連邦やトルコ、ブラジルなどに加え、当時は乱用がみられなかった⽇本やイギリス、フランスも提案に賛成でした。⼀⽅、大麻の使用が昔から⾏われていたインドやその他のアフリカの国々は、この提案に消極であったと報告されています。
  最終的に、1925年の第2国際阿片条約が締結されるにあたり、「インド大麻」として、大麻製剤(エキス、チンキ)の医療及び研究目的のみの使用制限、輸出⼊許可制度、不正取引に関する取締等についての規定が定められました。ここに初めて、大麻の国際規制が⾏われることになったのです。
 この後の国際規制の進展については、また今後の「視点」において解説することにいたしましょう。

 近年、大麻が⿇薬単⼀条約の規制にかかったのは、アメリカがごり押ししたからだとか、メキシコ⼈などに対する⼈種差別の結果である、などとの不可解な意見が散見されます。

 まず、大麻の国際規制は⼀世紀以上前、国際⿇薬規制が始まってすぐのことであり、どのような国々が主導したかはお分かりになったでしょう。さらに、国際条約を採択するにあたって、⼈種差別意識が(もしも関係政府担当者にあったとしても)、国際社会が条約を作り上げる過程で、わけても全権委任会議において、そのような意識が反映されうるでしょうか。そもそも、⿇薬単⼀条約が採択された全権委任会議に、メキシコ政府もメンバーとして参加していました。

 新しい条約が作成され、採択されるまでの場に⾝を置いた者として(1988年の「⿇薬及び向精神薬の不法取引に関する国際連合条約」のことです)、国際社会の意思の反映としての条約の成立とは、このような不可解な意見とは相容れないれないものであることを、あえて付け加えておきます。


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