吸入剤は、スプレー塗料、マーカー、接着剤、洗浄剤のように、家庭や職場でよく見かけるさまざまな製品に含まれています。これらの中には、精神作用性のある危険な物質も含まれます。 「高揚感」を得るための製品ではないので、通常これらの製品を薬物と考える人はいませんが、なかにはその目的で使用する人もいます。 高揚感を得るためにこれらの化学物質を使用する場合、これらを吸入剤と呼びます。吸入剤は主に子供や10代の若者が使用しています。そして10代後半の若者よりもさらに若い世代の方が多く用いる唯一の化学物質です。 |
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吸入剤の多くは中枢神経系に影響を及ぼし、脳の活動を鈍くします。短期的な影響はアルコールに似たものであり、以下のようなものがあります。 ・ろれつが回らない、言語障害 ・協調運動の欠如(身体運動の制御) ・多幸感(「高揚感」) ・めまい 人々の中には、頭がふらふらしたり、幻覚(現実には存在しない感覚やイメージ)や妄想(誤った思い込み)などが生じたりする人もいます。吸入剤の反復使用は、自覚症状が薄まり、制御不能になる人も多いようです。中には嘔吐する人や数時間眠気を感じたりする人もおり、頭痛がしばらく続く場合もあります。 その他の吸入剤とは異なる、心疾患の治療に処方されることも多い亜硝酸化合物は、血管を拡張・弛緩させることにより、性的快楽を高めるために使用されています。 |
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吸入剤の長期的な影響については、以下のようなものがあります。 ・肝機能および腎機能の障害 ・難聴 ・骨髄の損傷 ・協調運動の欠如および四肢の痙攣(神経の損傷による) ・行動発達障害(脳の障害による) ・脳の損傷(酸素の脳への供給遮断による) さらに、亜硝酸化合物が性的快楽や性行為のために誤って使用されているため、それにより危険な性行動やその他の危険行動につながる場合があります。このため、HIV/AIDSや肝炎などに感染したり、感染を拡大させたりする危険性が高まります。 |