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メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)は、気分や知覚(周囲の物や状況に対する認識)に変化をもたらす合成麻薬のひとつです。 覚醒剤や幻覚剤に似た化学的性質を持っており、高揚感や多幸感、親近感を生じさせる一方、感覚や時間に対する認識を歪めます。 |
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MDMAは脳内の3つの化学物質の働きを活発にします。 ・ドーパミン:活力や行動力を高め、報酬系システムに作用してある一定の行動を強化します。 ・ノルエピネフリン:心拍数や血圧を上昇させるので、心臓や血管に疾患をもつ患者にとっては特に危険です。 ・セロトニン: 気分や食欲、睡眠その他の機能に影響を及ぼします。また、性的興奮や信頼感に影響するホルモンを誘発します。MDMAを使用するとセロトニンが大量に放出され、親近感や高揚感、他者との共感が生まれます。 その他の健康上の影響には以下のようなものがあります。 ・吐き気 ・筋肉のけいれん ・無意識の歯ぎしり ・視力障害 ・悪寒 ・発汗 MDMAの効果は3~6時間持続しますが、使用者の多くは最初の服用時の効果が減退すると、2度目の服用を行います。使用後一週間程度のうちに以下のような症状が現れます。 ・易怒性 ・衝動性および攻撃性 ・抑うつ状態 ・睡眠障害 ・不安症状 ・記憶および注意力の障害 ・食欲の減退 ・性欲の減退および性的快感の減退 これらの症状は、MDMAとその他の薬物、とりわけ大麻との併用によって起きる可能性があります。 |
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MDMAを使用する場合、通常はカプセルや錠剤で摂取しますが、液体を飲んだり、粉末を鼻から吸引する場合もあります。俗称の「モリー」(「分子」を表すスラング)とは、「純度の高い」MDMAの結晶粉末のことを指す場合が多く、通常はカプセルで販売されています。 しかし、モリーという名で販売されている粉末やカプセルを購入しても、実際には合成カチノン(俗称「バスソルト」)など他の薬物が代わりに入っていることも多いようです。アルコールや大麻と一緒にMDMAを使用する場合もあります。 |
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高用量のMDMAの服用は体温を調節する能力に影響を及ぼす場合があります。 これにより体温が急上昇し、肝不全や腎不全、心不全を引き起こすこともあり、さらには死に至る場合もあります。 しかも、MDMAは信頼感や親近感を引き起こすため、特にシルデナフィル(バイアグラ)と併用すると、危険な性的行動を助長する場合があります。これによりHIV(AIDS)、肝炎などに罹患・感染する危険性を高めます。 |