規制薬物の現状と問題点
関東信越厚生局麻薬取締部 技能指導官 梅田国樹(2019年3月広報誌掲載)
最近の薬物情勢
平成29年の全薬物事犯の検挙人員は14,019人で、前年より178人増加。近年は14,000人前後で推移していて、高止まりの状況が続く。
l危険ドラッグ関連事犯の検挙人員は平成29年度で726人。
●前年より262人減少するも、インターネットによる密売が横行。依然として巧妙化・潜在化の一途を辿り予断を許さない状況。
●平成29年9月に、麻薬取締部において過去最大の危険ドラッグ製造工場を摘発
l覚醒剤の、平成29年における検挙人員は10,284人。前年より323人減少、第3次乱用期に入って以降最低人数を記録。
●覚醒剤は日本における乱用薬物の中心的存在。検挙人員は依然として1万人を越えている。
●平成28年、29年と2年連続で覚醒剤の押収量は1トンを超えたが、覚醒剤不足の情報もなく、依然として大量の覚醒剤が国内に流入・流通していると見られている。
l大麻事犯の平成29年における検挙人員は3,218人と前年より496人増加。
●統計を取り始めて以降、過去最悪の検挙人員を記録
●大麻の幻覚成分を抽出・濃縮した新たな形状の大麻の流通が増加、栽培事犯も増加するなど、危機的な状況であると言える。
【伝えたいこと】
①危険ドラッグは潜在化してインターネットによる密売が横行
②覚醒剤の検挙者は依然として1万人を超えており大量の覚醒剤が国内に流入・流通している
③大麻の流通が増加、栽培事犯も拡大、特に幻覚成分を抽出・濃縮した新たな形状の大麻が登場して危険な状態
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