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中枢神経抑制薬とは、鎮静剤、精神安定剤、睡眠導入剤などを含む薬剤の総称です。
一般的に、これらの薬剤は脳の活動を抑制し、不安やパニック障害、急性ストレス反応、睡眠障害などを治療する上で効果的があります。
top 中枢神経抑制薬は眠気を生じさせます。鎮静剤が不眠症のような睡眠障害を治療するのに処方されることが多い一方で、精神安定剤は不安症状を治療したり、筋肉のけいれんを鎮めたりするために処方されます。
中枢神経抑制薬は以下の薬剤分類にしたがってグループ分けされます。
●ベンゾジアゼピン系
・ジアゼパム(バリウムR)
・クロナゼパム(クロノピンR)
・アルプラゾラム(ザナックスR)
・トリアゾラム(ハルシオンR)
・エスタゾラム(プロソムR) 非ベンゾジアゼピン系催眠鎮静剤
・ゾルピデム(アンビエンR)
・エスゾピクロン(ルネスタR)
・ザレプロン(ソナタR)
●バルビツール酸系
・メホバルビタール(メバラールR)
・フェノバルビタール(ルミナールR)
・ペントバルビタール(ネンブタールR)
中枢神経抑制薬の多くは、脳の活動を抑制する脳内神経系伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)の働きを高めることで作用を示します。この作用によって眠気や鎮静作用をもたらし、この薬剤が不安症状や睡眠障害に効果を発揮します。
中枢神経抑制薬を服用し始めた人は通常、最初の数日間は眠気や筋肉運動の不整合を感じますが、その後これらの副作用に体が適応していきます。服用や乱用によるその他の影響には以下のようなものがあります。
・ろれつが回らない
・集中力の低下
・混乱状態
・頭痛
・頭のふらつき
・めまい
・口の渇き(ドライマウス)
・運動および記憶障害
・低血圧
・呼吸数の低下
長期にわたって中枢神経抑制薬を服用すると、治療効果を維持するために、より多量の薬剤を服用しなければならない場合があります。
また、継続的な服用により依存が形成され、その服用量を減らしたり、突然服用を止めた場合に離脱症状(退薬症候)が発現する場合があります。突然の断薬は心臓発作などの健康被害が発症する場合もあります。
医薬品である中枢神経抑制薬の多くは錠剤、カプセルまたは液体であり、経口摂取するものです。
中枢神経抑制薬の乱用とは以下のような場合をいいます。
・処方された以外の方法
・用量で服用する場合
・他人の薬剤を服用する場合
・高揚感を得る目的で薬剤を服用する場合
市販薬の乱用

店頭で買うことのできる市販の風邪薬や咳止め薬にも、乱用目的で使用されるものがあります。
これにはデキストロメトルファン(DXM)という薬物が含まれています。DXMはシロップ、ゼリー、錠剤の形で販売されています。
インターネット上で粉末として販売されているものは、成分の配合や濃度がはっきりしないため特に危険です。DXMを含む市販薬は非常に数多くありますが、よく乱用されるのはコリシディンとロビタシンです。
咳止めシロップを他の種類の薬物と一緒に服用すると、中枢神経や心臓に障害を引き起こす恐れがあります。アルコールと一緒に服用するのは特に危険で、死に至る可能性もあります。
2018年に薬物依存などで全国の精神科で治療を受けた10代患者の4割以上が、せき止め薬や風邪薬などの市販薬を乱用していたことが厚生労働省研究班の実態調査で報告されました。
2014年の調査では1人もおらず、近年急増していることを示しています。
この背景には悩みや生きづらさを抱えた若者や、薬物に対する好奇心を抑えられない若者が、一時的に意欲を高めるために違法ではない市販薬を乱用するケースが多いといわれます。
せき止め薬は安価で簡単に入手できる上、中枢神経興奮薬と抑制薬の両方の成分が含まれ、インターネットで「多幸感が得られる」といった情報が出ていることがあるとみられています。