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ミャンマー、覚醒剤2億錠など違法薬物押収、アジア史上最大規模
(2020年5月26日)

藤野彰さんによる世界の薬物情勢をアップした途端、衝撃的なニュースがミャンマー警察とUNODCの共同声明の形でリリースされました。


 ミャンマー当局とUNODC(国連薬物犯罪事務所)がアジアで数十年ぶりとなる大規模な摘発を行い数億ドル相当の違法薬物を押収した、という報道に注目しました。
押収の内訳は、メタンフェタミン錠剤が2億錠、クリスタル・メス500kg以上、違法薬物の原料となる化学物質35.5t、合成オピオイド精製のための液体メチルフェンタミル3,750ℓなどアジアで「過去に例を見ない」量だったそうです。

特に大量のメチルフェンタミルについては、その背景についても触れられているのですが、アメリカで数年前から大きな社会問題になっている合成オピオイド(鎮痛剤)の蔓延(トランプ大統領の「国家の恥」発言)に続き、これまでその使用のなかった東南アジアでの供給に麻薬犯罪組織が動き出したのではないか、という見解です。

関連事実として当地を含む東南アジア地域に於いて歴史的にアヘンの原料(アヘンからヘロインを精製)として多く栽培されてきた「ケシ」の国家的な取締りや規制があります。今回見つかった量で域内の1年分のヘロイン生産に匹敵する規模の合成オピオイドを作ることが可能だったとのことです。これら組織がヘロインに変わる薬物として合成オピオイドを位置付けているのではないかと当局は警鐘を鳴らしています。


日本が犯罪組織の大きな収益源である違法薬物の「優良市場」であることを考えると、今回のような世界の薬物情勢の実態から目を離すことはできないと痛感します。

・UNODC Myanmar 「ケシ」の大量抜去のレポート
・UNODC World Drug Report 2019(世界薬物報告書2019)

今回大規模な摘発の行われたミャンマー/シャン州南部に拡がるケシ畑

ケシの実に傷をつける様子

【「マトリ」最新データと実態から】
(2020年5月21日)

今回は2020年1月に刊行された元麻薬取締部部長瀬戸晴海氏の「マトリ」」を紹介します。既に財団の広報誌最新号(3月発行)で広告掲載していますが、我々が日頃ニュースなどで見聞きする報道からだけでは知ることのできない薬物事犯の実態、生々しい現実が解き明かされます。

4月に警察庁が薬物事犯の最新情勢(令和元年データ)をリリースしました(HP内「統計資料」に抜粋を掲載しましたのでご覧ください)
「薬物別検挙数では覚醒剤がやや減少、大麻が過去最多を更新、薬物事犯全体としてほぼ横ばい」
「覚醒剤押収量2tと大幅増、同密輸も依然高水準、その他の薬物を合わせると3t超える押収量となった」 「大麻では所持だけではなく栽培事犯、大麻押収量等周辺事犯も増加傾向」などが要約されています。そして事犯対策の柱を「覚醒剤密輸・密売の供給遮断と、大麻事犯取締り強化及び啓発活動」としています。

さて、一方でコロナ禍最中の5月、薬物関連記事をネットニュースで見てみますと、
・大麻所持でラッパー逮捕、その後の検査で覚醒剤の陽性反応(東京)
・自称アーティスト大麻所持で逮捕、営利目的で栽培も(広島)
・兵庫県警22歳巡査、大麻所持で逮捕(兵庫) ・コロナ禍休校で一時帰国の女子大生、国際郵便で覚醒剤錠剤(ヤーバー)を密輸、コントロールド・デリバリー捜査で受け取ったところを現行犯逮捕(東京) ・「自分で使うため・・・」25歳消防士、乾燥大麻所持の疑いで 逮捕(茨城)と日々立て続けにアップされています。

行政のデータと日々の報道の中で、今何が起きているのか、これからどうなるのか、我々はどう対処していけばいいのか、瀬戸さんがこの問題の本質を説かれています。
コロナ後、私たちの啓発活動もここからリスタートではないでしょうか。

●「マトリ」厚労省麻薬取締官 瀬戸晴海/新潮新書


【企画】世界の薬物事犯の情報~国際麻薬規制100年~ 藤野彰氏の講演動画を公開しました。
(2020年5月15日)

講演動画公開に合わせ、同時代に同じ国連の舞台で志と使命感を持ってその責務を果たされた国連難民高等弁務官(UNHCR)緒方貞子さんの回顧録を紹介します。藤野さんは国連薬物・犯罪事務所(UNODC)に在籍されていました。

読後そのインタビューから私たちの小さな力でも世の中の役に立つことがあるのだと勇気をもらえます。
今、世界中がこれまで経験したことのない大きな壁を目の前に、それを乗り越えようと動き出しました。
困難の最中、私たちの新しい生き方の糸口を見つけるためにも先人たちの歴史から学ぶことは多くあると感じます。

そしてもう1冊、昨年アフガニスタンにて志半ばで命を落とされた中村哲先生はペシャワール会をベースに同国貧困地域での医療活動と、そこに暮らす人々に希望をもたらすライフライン構築の陣頭指揮を執られてきました。
3人に共通するキーワードは『人の命を助けること』 当たり前のことが今、心に響きます。

●『聞き書 緒方貞子回顧録』 野林 健・納家政嗣(編)/岩波現代文庫

●『天、共に在り アフガニスタン三十年の闘い』中村 哲/NHK出版

 

【STAY HOME, SAVE LIVES】
(2020年4月28日)

ネットへのアクセス時間が延びているという報告があります。(※)
くれぐれも興味本位や好奇心など軽い気持ちで “違法薬物”等の誤った情報に近づかないようご注意ください。
全国の主な相談窓口をご案内しています。【相談窓口一覧】よりご覧ください。
(※)2019年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」(内閣府)

【今この時期に「依存」について考えてみませんか】
(2020年4月20日)

外出自粛で家にいる時間が長くなり、ストレス解消方法や健康維持についてのサポート情報も増えてきています。また今このような時期だからこそやれることを実践している人もいることでしょう。過去の感染症をテーマにした書籍なども再注目されているようです。

さて、今この時期に「依存」について(決して難しくなく)考えてみませんか。
私たちが主な対象とする違法薬物を始め代表的な依存としては身近なところでアルコールやタバコ、あるいはパチンコや競馬などのギャンブルがありますが、最近若者を中心に広がるゲーム障害も昨年WHO(世界保健機構)が精神疾患と位置付けました。益々進化するオンラインゲームやそのディバイスであるスマホの依存をメインにとても分かりやすく「依存とは何か」の基礎を教えてくれる本を紹介します。

  脳内借金・正の強化・負の強化・聖域の消失・自己責任など、はっとさせられるワードが示され、その解説になるほどと納得します。一方で若者たちに大きな影響を与える職業としてのプロゲーマー、ユーチューバー、スポーツ競技としてのeスポーツなどについても触れられ改めて考えさせられます。(「スマホ依存から脳を守る」中山秀紀先生/朝日新書)

そして更に薬物依存について詳しく学ばれたい方には、松本俊彦先生の書かれた「薬物依存症」(ちくま新書)こちらもお勧めです。

現在のコロナ禍の終息後、迅速にまた皆様と一緒に薬物乱用防止活動が再開できますよう備えたいと思います。

【薬物乱用防止×COVID-19関連】(2020年4月14日)

医療専門家から心臓や腎臓等に基礎疾患のある方へ注意喚起の情報が出されていますが、米国国立薬物乱用研究所(NIDA)からも同様にメッセージ(原文英語)が出ています。
呼吸器系に疾患のある方、また喫煙者(タバコ、大麻等)に関してのコメントですが、今般の生活情勢の急激な変化の中で、くれぐれも大麻等違法薬物やネット上での関連する誤った情報に近づくことのないようご注意ください。

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