薬物は世界の国々で深刻な社会問題になっています。
私たちの日本でも例外ではありません。
薬物の汚染は私たちの身近に迫ってきています。
薬物乱用防止のために薬物の恐ろしさを正しく理解し、薬物に関する正しい知識を身に着けることが必要です。
(Q1)薬物乱用とはどういうことですか?

薬物乱用とは医薬品を医療目的から逸脱して使用することや、用法・用量を守らずに使用すること。あるいは医療目的で無い薬物を不正に使用することをいいます。たとえ1回でも薬物乱用にあたります。

(Q2)乱用される薬物にはどういうものがありますか?

中枢神経に及ぼす物質で、ヘロイン・コカイン・LSD・MDMA・あへん・大麻・覚醒剤・向精神薬・有機溶剤(シンナー等)・危険ドラッグ・及び一部の一般薬(市販薬)などがあります。

(Q3)薬物を乱用するとどうなりますか?

薬物を使用した時の快感を得るため、また使用を中断ややめた時の離脱症状(苦痛)から逃れるため、薬物を求める「依存性」が形成されます。
また薬物を繰り返し使用しているうちに同じ量では効果が薄れてしまう「耐性」が生じます。
「たった一度」という好奇心や遊びのつもりであっても、薬物の依存性と耐性によって使用する回数や量が増えていくという悪循環に陥り、自分の意思ではやめられなくなってしまいます。
また、治療を続け乱用を止めても睡眠不足や過労、ストレスや飲酒等をきっかけに、幻覚や妄想などの精神異常が再燃するフラッシュバックがあります。

(Q4)なぜ覚醒剤や大麻を使用することが規制されているのですか?

覚醒剤や大麻などは、乱用する人間の精神や身体に悪い影響を及ぼします。さらに長時間使用を続けることにより、人間が人間として生活を出来なくさせてしまいます。場合によって死亡させることもあります。
また、薬物乱用による幻覚や妄想・薬物を求める行動が、殺人や放火、強盗などの凶悪犯罪につながり、使用者による交通事故を引き起こすなど乱用者本人のみならず周囲の人間、まったく無関係の人たちにまで取り返しのつかない被害を及ぼしかねないものです。
こうしたことから、覚醒剤や大麻など薬物の使用などは法律により厳しく規制されているのです。

薬物の乱用による依存症状
※精神依存:効果が切れるとまた薬物が欲しくなって自分の意思ではとめられなくなる
      更に脅迫的な衝動により薬物の使用を強いられるような感覚になる
※身体依存:使用している薬物の効果が切れると手足の震えや悪寒、嘔吐、痙攣、発汗、激しい疼痛などの身体に病的な症状が現れる

(Q5)乱用される薬物の法規制について

各種法律によって厳しく規制されています
 ・麻薬及び向精神薬取締法/麻薬(ヘロイン、コカイン、LSD、MDMA等)、向精神薬
 ・あへん法/あへん
 ・大麻取締法/大麻
 ・覚せい剤取締法/覚醒剤、メタンフェタミン
 ・毒物及び劇物取締法/有機溶剤(シンナー)
 ・医薬品医療機器法/危険ドラッグ

(Q6)薬物を使うと、痩せたり勉強がはかどるというのは本当ですか?

間違いです。
覚醒剤などの薬物は中枢神経に作用し一時的に心身に影響をあたえますが、効果が無くなると異常に食欲が強まったり、食欲がなくなり拒食症状がでます。
また強い疲労感や倦怠感、脱力感に襲われ集中した学習が出来なくなります。

(Q7)危険ドラッグは法律に違反していないから安全なのでしょうか?

NOです。
危険ドラッグは法律で規制されている覚醒剤や大麻などの化学構造式に似せて作れらている規制薬物と同等の作用をする成分が含まれています。
法律での規制を受けないだけで、身体や精神に危険さ作用を及ぼす成分が無秩序にいろいろ混ぜられているため、どのような害が出るかもわからず、もとになった薬物よりもはるかに危険な場合があります。

(Q8)薬物を使用すると生まれてくる子供にも影響がありますか?

妊娠中にコカインを使用した女性では、胎盤の早期剥離を引き起こし、出血により母子の生命が脅かされることがあります。
また、これらの女性から生まれた新生児では、高確率で心臓や腎臓などの奇形が見られることも報告されています。
使用者も、心臓発作、脳内出血、けいれん発作、呼吸困難などを起こし、死にいたることもあります。

(Q9)もし自分の周りの人が薬物を乱用している疑いがあるときはどうしたらいいでしょう?

自分達だけで悩まないで周囲の信用できる大人や最寄りの麻薬取締部または各都道府県の薬務主管課にご連絡ください。
麻薬取締部では、このような問題を抱えて悩んでいる人のために麻薬・覚せい剤相談電話を設置してベテランの担当官が相談にあたっています。
相談した秘密は守られますし、 薬物の乱用者を立ち直らせるためには家族や周囲の人たちも妥協を許さない毅然とした態度が必要です。

相談窓口一覧

(Q10)薬物を勧められたらどうすればよいですか?

きっぱりと「自分は嫌だ」「私は使いたくない」と伝えましょう。
一時的には「嫌われる」と思われても、その後の結果を思い浮かべ最初に自分の意思で「NO」ということが必要です。
仮に伝えることが困難な場合ではその場を離れる、逃げることも自分の身を守るために必要です。