[「国連麻薬乱用撲滅の10年」紹介と国内委員会]


[「国連麻薬乱用撲滅の10年」の行動計画を支援する国内委員会設立趣旨書]

 激動の20世紀も残すところ10年となり、21世紀に向けて、カウントダウンに入りました。我が国は、先の大戦で建国以来の大きな試練を受けましたが、次第にこれを克服して成長を遂げ、今や、世界の国々をリードする経済大国になりました。と同時に、国際化時代の到来を迎え、わが国の国際的責務と貢献への責任が大きく問われています。

 今日、人類がもっとも深刻な社会問題として、地球の環境破壊問題と並んで、麻薬・覚せい剤等薬物の乱用問題があります。薬物の乱用は、人類の生命と心身に弊害を及ぼすのみならず、家庭の平和を破壊し、社会秩序の崩壊を招くなど、極めて憂慮すべき問題であります。1990年2月、世界的に薬物乱用が重大かつ永続的な脅威となっていることを深く憂慮して、国連麻薬特別総会が開催され、「政治宣言」と「世界行動計画」が採択され、1991年〜2000年を「国連麻薬乱用撲滅の10年」とする旨が宣言されました。

 薬物乱用問題の解決には、行政機関の取締りにより不正供給を絶つことが重要でありますが、取締りの強化だけで問題が解決するものではありません。官民一体となって、薬物乱用防止のための啓発活動を推進し、私たちの身近な社会に薬物乱用を許さない社会的合意を確立することが必要かつ効果的な方策であります。

 幸いにも、わが国では、1987年、閣議の了解により厚生労働省、警察庁共管の下に薬物乱用防止の啓発団体「財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター」が設立され、現に官民一体となってこの問題の解決に取り組んでおります。

 我々は、これらのことに思いを致し、ここに「国連麻薬乱用撲滅の10年」の計画活動を支援する国内委員会を設け、(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターが「国連麻薬乱用撲滅の10年」に呼応して作成した行動計画を支持し、その活動について助言し、提言し、その薬物乱用防止活動の積極的な推進を通じて、薬物乱用を許さない国民の世論づくりに寄与しようとするものであります。

「国連麻薬乱用撲滅の10年」の行動計画を支援する国内委員会
              内海 倫(前人事院総裁)
              梅本 純正(武田薬品工業株式会社会長)
              大河原 良夫(元駐米大使)
              豊田  章一朗(経済団体連合会副会長)
              森 亘(前東京大学総長)
         (委員会)吉國一郎(元内閣法制局長官)